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岡崎 良子; 山極 満
no journal, ,
レーザー駆動陽子ビームを強度変調放射線治療(IMRT)に適用するため、ビームの発生から生体への照射までの一連のプロセスを、さまざまなシミュレーションコードを利用することにより詳細に検討する作業を進めている。薄膜から発生する陽子ビームの特性については、既にParticle-in-Cell(PIC)シミュレーションにより研究が進められている。今回は、イオン光学コードTRANSPORT及び荷電粒子輸送コードPHITSを利用して試験的なビーム輸送系を作成し、レーザー駆動陽子ビームと類似のエミッタンスを有するガウシアン・ビームがその輸送系を経ると、どのような照射ビームが得られるのか、また、そのビームによる標的(水)内の線量分布について報告する。本研究により、輸送系を経たレーザー駆動陽子ビームの特性や、そのビームを治療に利用するうえでの問題点を定性的・定量的に明らかにし、今後のレーザー駆動陽子ビームの実用化に向けての基礎とする。
百合 庸介; 宮脇 信正; 神谷 富裕; 横田 渉; 荒川 和夫; 福田 光宏*
no journal, ,
ビーム輸送系における非線形磁場による横方向強度分布の均一化に関する詳細な理論解析の結果を報告する。八極電磁石等が作り出す奇数次の非線形磁場を用いて荷電粒子ビームのガウス型強度分布を均一化できることは以前から知られている。本研究では、無限大までの次数を含んだ理論モデルを構築し、ビームを均一化する際に必要となる非線形磁場強度及び形成される均一分布の幅を、ビーム光学系を規定するTwissパラメータを用いて表した。これにより、六極電磁石等の偶数磁場を用いたビーム均一化、及び、複数の多重極磁場を組合せることによる非対称な強度分布を持つビームの均一化が可能であることを初めて明らかにした。また、この理論に基づいて設計した六極及び八極電磁石から成るTIARAのサイクロトロン施設に設置する均一照射システムについても解説する。
神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 中堂 博之
no journal, ,
重い電子系形成過程をUSnで調べるため、Sn核のナイトシフトとスピン格子緩和時間を測定した。動的(スピン格子緩和時間)及び静的(比熱,磁化率)性質は重い電子系状態ではスピン揺らぎモデルで一定のエネルギースケールの仮定のもとでよく説明できるが、高温でのクロスオーバー領域ではRKKY相互作用の温度依存を考える必要があることがわかった。
飯村 秀紀; Buchinger, F.*
no journal, ,
原子核質量の計算に用いられるFinite Range Droplet模型(FRDM)のパラメータを用いて核荷電半径を計算した。このうち変形パラメータは、Finite Range Liquid Drop模型(FRLDM)に非軸対称変形を取入れた最近のMller達の計算値を用いた。ここで、FRLDMはFRDMからクーロン力による核子の再配置を除いた模型である。得られた核半径を多数の原子核について実験値と比較した結果、従来の計算に比べて一致が改善されることがわかった。これは、FRLDMに非軸対称変形を取入れたことで、変形パラメータの予測精度が上がったことによる。
西尾 勝久; 池添 博; 光岡 真一; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 渡辺 裕*; 大槻 勤*; 廣瀬 健太郎*; Hofmann, S.*
no journal, ,
S+U反応における核分裂片の質量数分布を測定した。実験は、原子力機構タンデム加速器施設で行った。質量数分布は、クーロン障壁より高い反応エネルギーでは質量対称性を示したのに対し、サブバリヤー領域では非対称性を示した。この非対称分裂では、質量数200及び74近傍の核分裂片が生成されており、複合核を生成することなく分裂する準核分裂過程で生成されたと考えられる。サブバリヤエネルギーでは、Sはラグビーボール型に変形したUの先端部とだけ衝突する。一方、エネルギーを高くすると赤道面からの反応が始まるが、ここで観測された質量対称分裂は、複合核を経由する核分裂と解釈できる。今回観測された質量数分布の変化は、準核分裂と複合核生成の競合が、ウラン標的の向きに敏感であることを示す。
稲見 俊哉; 寺田 典樹*; 北澤 英明*
no journal, ,
GdPdAlではGdが三角格子を組んでおり、磁化過程に1/3プラトーが現れることから、典型的な弱いIsing異方性を持つHeisenberg型三角格子反強磁性体と考えられている。しかし、Gdを含むため中性子回折実験が行われておらず、詳しい磁気構造は不明のままであった。これを明らかにするために、共鳴磁気X線回折実験を行い、確かに二つの転移点が縦成分と横成分の逐次秩序になっていること、基底状態は三倍周期からわずかにずれた非整合秩序であることを明らかにした。
川瀬 啓悟; 神門 正城; 早川 岳人; 大東 出; 近藤 修司; 本間 隆之; 亀島 敬; 小瀧 秀行; Chen, L. M.; 福田 祐仁; et al.
no journal, ,
原子力機構関西光科学研究所において、Nd:YAGレーザーとマイクロトロン電子加速器からの150MeV電子ビームとを用いた逆コンプトン散乱によるX線発生の研究を開始している。ここで発生するX線の最大エネルギーは400keVである。本学会において、この研究の現状と将来的な展望について報告する。
佐々木 明; 西原 功修*; 砂原 淳*; 西川 亘*; 小池 文博*; 田沼 肇*
no journal, ,
次世代半導体リソグラフィへの応用に要求される波長13.5nm(2%帯域),出力180WのEUV光源を実現するため、理論計算による原子データをもとに衝突輻射モデル(原子モデル)を構築して輻射輸送係数を計算し、流体シミュレーションを行って動作条件の最適化を進めている。EUV光源として用いられるSnプラズマ中で強い発光を起こす遷移を同定し、さらにそれらの波長とスペクトル分布を正確に求めるため、CI(Configuration Interaction)を考慮した理論計算と、電荷交換分光法による実験との比較による波長の校正を行った。これによって、シミュレーションは実験のスペクトルや効率を再現できるようになり、また光源プラズマを低密度化すると、発光スペクトルの幅が狭まり効率の向上が得られる可能性があることがわかった。
深谷 有喜; 橋本 美絵; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
結晶表面における荷電粒子の非弾性散乱過程は、古くからさまざまな手法を用いて研究されている。電子ビームの場合、表面プラズモンが結晶表面における非弾性散乱の主要な過程であることが知られている。一方、電子の反物質である陽電子に関して、結晶表面での非弾性散乱過程の研究はほとんど報告されていない。本研究では、高速陽電子ビームの固体表面における非弾性散乱過程を調べるために、エネルギー分析型の反射高速陽電子回折(RHEPD)装置の開発とエネルギー損失スペクトルの測定を行った。今回開発したエネルギー分析器は、円筒レンズと阻止電位グリッドから構成されている。試料から回折したビームは、円筒レンズによって平行化され、平板状の阻止電位グリッドに対して垂直に入射する。またこのシステムでは、印加電圧の極性を逆転させることにより、陽電子回折と同じ実験条件で電子回折の実験を行うことが可能である。入射陽電子・電子ビームのエネルギー分析スペクトルの測定から、このシステムの分解能が約4eVであることがわかった。講演では、Si(111)-77表面からの全反射条件下における鏡面反射強度のエネルギー損失スペクトルの測定結果も報告する。また、陽電子線源から放出される電子を用いたエネルギー損失スペクトル測定との比較も報告する。
大石 一城; Heffner, R. H.; MacDougall, G. J.*; 伊藤 孝; 髭本 亘; Luke, G. M.*; Amato, A.*; Nieuwenhuys, G.*; Spehling, J.*; Klauss, H. H.*; et al.
no journal, ,
最近、CeCoInのInサイトをCdで置換することにより、が減少し反強磁性秩序が出現することが報告された。NMR実験によると、Cd置換量10%の試料では磁気秩序と超伝導秩序の共存が示唆され、さらにこの磁性は置換したCd近傍で出現していることが示された。一方、同じ組成の試料による中性子実験では、以下で=(1/2, 1/2, 1/2)の反強磁性秩序を形成することが示された。われわれは本系の磁性に関する微視的知見、特に磁気成分の体積分率を調べるため、Cd置換量3%, 10%及び15%の単結晶試料を用いて零磁場中でミュオンスピン緩和測定を行った。その結果、10%及び15%Cd置換した試料において、以下で磁気秩序形成に伴うミュオンスピン回転を観測し、磁性成分の体積分率はほぼ100%であることを観測した。また10%の試料では、の前後で回転周波数の温度依存性に大きな変化はなかった。一方、超伝導のみを示す3%Cd置換試料では、核双極子磁場による緩和以外は観測されず、時間反転対称性が破れていないことを示した。
瀬川 麻里子; 松江 秀明; 山田 悟*; 篠原 武尚; 笹尾 一*; 鈴木 淳市; 清水 裕彦*
no journal, ,
JRR-3にて生成された熱中性子による即発線を測定し、試料中の元素位置を1mm以下で分析可能なシステムの構築に成功した。これにより、試料中の元素及び同位体の元素分析が2・3次元的に、かつ非破壊で可能となり、広い自然科学分野及び産業などへの応用が期待できる。本講演ではこの開発内容について発表する。
吉井 賢資; 平光 雄介*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 池田 直*
no journal, ,
標記酸化物につき、その磁性と誘電性について調べた。これら酸化物は室温近傍でマンガンイオンの電荷秩序が起こり、低温100K以下でマンガンイオンの反強磁性が起こる。誘電率測定から、室温以下で1000程度の誘電率が観測された。R=Dyに対するマンガン吸収端の放射光EXAFS測定からは、室温と比べたときの低温におけるイオン位置のずれは見いだされておらず、この誘電性は通常のものと異なっていることが示唆される。
河裾 厚男; Chen, Z. Q.*; 前川 雅樹; 別役 潔*
no journal, ,
酸化亜鉛中の固有欠陥の性質を調べる目的で、電子線照射により生成する一次欠陥と照射後熱処理により生成する二次欠陥の起源を陽電子消滅測定と理論計算により調べた。水熱合成法で育成されたZnO(0001)単結晶に対して室温で3MeV電子線照射を行い、窒素ガス雰囲気中にて、100700Cの温度範囲で30分間の等時焼鈍を行った。電子線照射により陽電子寿命は183psから212psに、Sパラメータは1.016倍に増加した。これらは原子空孔型欠陥の生成を示している。200C焼鈍により照射直後に生成した原子空孔型欠陥は消失した。ところが400C焼鈍により、新たな二次欠陥が生成することが見いだされた。同時計数ドップラー拡がり測定から得られた電子運動量分布を理論計算とともに詳細に解析した結果、照射直後に生成した原子空孔型欠陥は亜鉛空孔であり、400C焼鈍で生成した二次欠陥は亜鉛空孔と亜鉛アンチサイトの複合体であることが判明した。
松田 達磨; 芳賀 芳範; 青木 大*; 池田 修悟; 立岩 尚之; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
no journal, ,
重い電子系NpPdAlは、超ウラン元素であるネプツニウムを含む化合物において世界で初めて発見された超伝導体である。さらにこの物質では、電子比熱係数が200mJ/Kmolと非常に大きく、また電気抵抗は温度に比例する振る舞いを示すなど特異である。この化合物における特異な電子状態を明らかにするため、常伝導状態の物性研究を行った。特に、大きな異方性を明らかにするために電気抵抗の異方性を測定した。
橋本 美絵; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
Si(111)-41-In表面は擬1次元金属鎖を形成することが知られている。この表面は120K以下で8'2'構造へ相転移し、金属-絶縁体転移を起こす。しかし、低温相である8'2'構造の原子配置や相転移のメカニズムの詳細については、未だ解明されていない。本研究では、最表面に敏感な反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いた8'2'表面の構造解析と走査型トンネル顕微鏡(STM)像の観察,第一原理シミュレーションの結果について報告する。293KのRHEPDロッキング曲線の解析から、41構造はX線回折実験で決定されたジグザグチェーン構造であることを確認した。60Kの8'2'構造については、理論的に提案されている2つの構造モデルを参考にして、ロッキング曲線のフィッティングを行った。RHEPDの解析から、最終的にヘキサゴン構造に近いモデルを得た。さらに、RHEPDの解析から決定した8'2'構造の原子位置を用いてSTM像を第一原理的に計算したところ、完全ではないがSTM像の観察結果を説明できることがわかった。また、バンド構造計算から、この構造では約60meVのエネルギーギャップが現れ、120Kで見られる金属-絶縁体転移が説明できることがわかった。
松田 巌*; 深谷 有喜; 橋本 美絵; 成田 尚司*; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
バルク固溶体の金属合金の中には、Cu-Zn系で知られているように、電子数と原子数の割合によって結晶構造が決まるものがあり、それらはHume-Rothery型化合物と呼ばれている。形成にはフェルミ球とブリルアン・ゾーン境界の接触が重要であることがわかっているもののその安定性は現在でも議論されており、最近では準結晶との密接な関係も指摘されている。本研究グループでは、半導体結晶表面上の金属単原子層についてこれまでのさまざまな系について研究してきた。Si結晶表面への金属吸着系には300以上も表面秩序相が存在する。その中でSi(111)基板上への一価金属(アルカリ金属,貴金属)の共吸着で形成する相は、吸着金属の原子数と表面状態の電子数の割合は常に一定であることに気が付いた。そこでこの2次元表面合金相について、角度分解光電子分光法でフェルミ面マッピングをしたところ、フェルミ面とブリルアン・ゾーン境界は効率よく交差しており、フェルミ準位近傍に擬ギャップが形成していることがわかった。すなわちこの合金相は、珍しい純粋な2次元系におけるHume-Rothery型化合物である。当日は光電子フェルミ面マッピングによる電子構造と回折やSTMなどによる原子構造に関する実験データを詳細に解説し、さらにJones model及びpseudopotential modelによる理論計算から安定化エネルギーについても議論する。
森林 健悟
no journal, ,
X線自由電子レーザー(XFEL)の利用研究の1つとしてタンパク質などの単生体分子のX線による立体構造解析がある。XFELの場合、従来のX線源よりもX線の数が非常に大きいため、生体の損傷の影響が大きいと考えられている。生体の損傷は、構造解析のノイズとして現れるが、ここでは、損傷とXFELのパラメータ(X線数,パルス幅等)との関係を明らかにして、X線数の上限値を決めることを目指す。XFELが生体分子に照射されると内殻電離及びそれに伴って発生する電子の衝突電離、さらに数fs後、オージェ過程が起こり、電子密度分布の変動が生じる。これらの電子密度分布の変動は立体構造解析のノイズとして現れる。本講演では、XFELのパラメータと元素の電荷数の変化の関係を計算し、立体構造解析に対する最適なパラメータを提案する。
片山 芳則; 齋藤 寛之; 青木 勝敏
no journal, ,
ある種の金属は多量の水素を吸蔵する。特に軽元素の水素化物は、水素をエネルギー担体として利用するために必要な水素貯蔵材料として活発に研究されている。固体の研究は多いが、液体での金属水素化物の構造や、その中での金属と水素元素の相互作用についてはほとんど知られていない。一方、深井らは高水素圧下で、高濃度の水素を含む液体金属水素化物の存在を示唆している。液体金属水素化物の存在を確認するために、われわれはSPring-8のBL14B1に設置されているキュービック型マルチアンビルプレスを用いて、高温高圧X線回折実験を行った。出発物質としては、水素濃度xが0.5程度のバナジウム水素化物VHxを用いた。NaBHとCa(OH)の混合物を水素源として用いることによって5GPa, 973KでVHxからVHへ変化することが観察された。温度をさらに上げると、VHはVHへと変化した。VHは試料カプセルとして用いているNaClの融点まで固体のままだった。他の物質についても実験を行っているので、その結果を含めて報告する。
親松 和浩*; 飯田 圭*; 小浦 寛之
no journal, ,
核物質の状態方程式の対称エネルギーの密度微分パラメーターLの値を、マクロ原子核モデルを用いて、不安定核質量からどの程度しぼれるか検討している。Lの値は不安定核半径にある程度の感度を持つ。また、中性子星クラストでのパスタ原子核の存在可能性はLの値によって決定される。前回はNi, Sn同位体を例にして、質量のL依存性の検討には、2陽子分離エネルギーの同位体依存性を解析すると良いことを確認した。同位体の2陽子分離エネルギーは、中性子数に関する振る舞いが素直で、対エネルギーの効果も抑えられる。ただし、NiとSn同位体についてはN=Z核のWigner項が顕著に見えることと殻効果のため、これらの同位体だけからL依存性を決定するのは難しそうである。そこで今回は、軽い核から重い核まで核図表全体で、Lの値の違いが質量の振る舞いにどの程度に反映するかを定量的に検討する。さらに、Lと表面対称エネルギーの相関に着目して、同じモデルで評価した半径のL依存性と組合せることにより、どの領域の原子核がLの値の評価に適当かを検討したい。
五十嵐 誉廣; 中沢 哲也; 都留 智仁; 加治 芳行
no journal, ,
原子レベルからの粒界型応力腐食割れ(IGSCC)機構解明のため、量子論的議論を含めた計算科学的アプローチによる粒界の安定性解析を行った。本研究では特にIGSCCが多く発生しているランダム粒界に着目し、半経験的計算手法によるランダム粒界を模擬したFe(鉄)クラスターの構造安定性解析を行った。鉄クラスター中に他元素が含有された系のエネルギー解析を行ったところ、クロム含有系では鉄-クロム間の結合が強まり、逆にニッケル含有系では鉄-ニッケル間の結合が弱まるという結果を得た。この結果は、ニッケル原子の富化とクロム原子の欠乏が粒界安定性を低下させ、粒界強度を劣化させる可能性があることを示している。